世界に優しい"Zero Waste" な意識や気づきを Kyoto から
2021年8月号
今年5月、「システムの再構築」と「マインドの再定義」のきっかけとなる素晴らしい一歩が京都御所からほどない、寺町通で踏み出された。広く開け放たれた Zero Waste Kyoto のエントランスの前を通れば、店内に並ぶ品々やそのディスプレイに興味を惹かれずにはいられないだろう。
「オーガニック」「フェアトレード」「自然」「手作り」をキーワードに、米、穀物、有機野菜、豆腐、味噌、納豆、梅干し、キムチ、焼き立てのパン、お茶、お酢などなど、たくさんの食品が揃う。誰がどこで作ったものか、どんなところが特別なのか、一番おいしい食べ方は、など、商品の裏側にあるストーリーを、スタッフが嬉々として語ってくれる。
店内を見て回ると、Zero Wasteを意識するための「マインドの再定義」のヒントがたくさん見つかるだろう。地元の畑で採れた野菜は、ビニールではなく、冷たい水の中や新聞紙に包まれて、惜しげもなくその瑞々しい姿を見せている。豆腐は、木桶の水の中ですくい上げられるのを待ち、米や穀物はガラス瓶に詰められ、スタイリッシュに壁に並ぶ。購入のときには、持参した容器を下にセットして、欲しい分だけ購入できる。
店の奥には、カフェスペースとデリも併設されている。ショーケースには、バラエティに富んだ惣菜や調味料、スイーツなどが並ぶ。イートインでは、ランチセットはもちろん、気になる惣菜だけを注文することも可能。とろとろの野菜スープは、今どの野菜が旬を迎えているのかを舌から教えてくれる。フレッシュで野菜の甘味にあふれるサラダは、有機野菜にこだわった土に育まれた栄養がたっぷり。
Zero Waste は、ゴールではなく、私たちの暮らし方、生き方が、環境や自分以外の存在にどんな影響を与えるかを考えるスタートだ。Zero Waste Kyotoは、京都初のZero Wasteをコンセプトとする店であること、そこで美味しくてローカルな商品を紹介・販売していることを誇りに思いつつ、まだこれはスタート地点である、という挑戦の気持ちも忘れず、どうすればZero Wasteのシステムをもっと向上できるか、楽しみとともに真剣に考え続けている毎日だという。お気に入りの容器やバッグ、さらにはZero Wasteのアイデアと一緒に、Zero Waste Kyotoに足を運んでみてほしい。古いシステムを再構築し、私たちのマインドを再定義するためのインスピレーションがたくさん沸いてくるに違いない。